東アジア(East Asia)

卓依婷(Timi Zhuo)

Zhuo  卓依婷(ゾウ・イーティン)は、YOUTUBEで知ってファンになった台湾出身の歌手。1986年になんと5才!の若さでデビューし子役スターとして有名になり、現在は民歌やヒット曲のカバー等、幅広いジャンルの曲を唄いこなす本格派歌手として中国国内を中心に活動しているとのこと。私が気にいった最大のポイントはそのビデオクリップで、どれも歌詞の持つイメージに合うよう、大変ていねいに造られていて、思わず画面に引き込まれる素晴らしい出来栄えです。以下にブログでとりあげた曲をカバーしたビデオクリップをリンクしました。

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Serchmaa, Сэрчмаа, 斯日其玛

Serchmaa  今回はモンゴルの女性ポップ歌手、セルチマー(Serchmaa, Сэрчмаа, 斯日其玛)です。ネット上でプロフィールを探したところ、彼女はモンゴル国立大(音楽系?)卒でバイオリンが得意らしく、MVでも白いエレキバイオリンを優雅に弾きこなしています。また何度か来日もしているとのことですが、モンゴルで一二を争う人気ポップ歌手ということ以外あまり詳しい情報は見つかりませんでした。

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心太軟(任賢齊)

Xintairuan  台湾出身の人気歌手で俳優の任賢齊(リッチー・レン)。1996年にこの「心太軟」が、なぜか台湾より早く大陸で大ヒットし、彼の人気は不動のものになったとのこと。聴く人によるかも知れませんが、味のある独特な声がたいへん魅力的に聞こえます。ちなみに「心太軟」というタイトルは「情にもろい」とか「やさしすぎる」といった意味。歌詞の大意は、恋愛に悩む妹のような存在の女性へのいたわりとかすかな想いを唄うもので、日本でいうと1970年代のニューミュージックに通じるものを感じます。ところで、この曲がヒットした中国では「心太軟」アイスキャンディーまで売り出されたそうで(ここを参照)、このネーミング感覚(中心はとっても軟らかいという意味か?)には笑わされました。

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Uyghur Music, Uygur Müzik, 维吾尔音乐

 以前ウルムチへ旅行した時に入手したVCDのタイトルが"Maxripi"("Meshrep"とも、漢字では"麦西来莆")と書いてあったのでネット上で検索したところ(http://www.meshrep.com/)、ウイグル人をはじめとする中央アジアの習慣で、大勢でご馳走を食べながら、歌と踊りやゲーム等を楽しむ集まりで、また最近ではレストラン等での観光客向けショーもこう呼ぶとのこと。ウイグルの音楽は一見するとわかるように、トルコ系・アラブ系など西方の音楽の影響を強く受けており、東方からの影響はほとんど感じられません。逆に(司馬遼太郎によれば)ウイグル民謡は現代中国の音楽に大きな影響を与えています。毛沢東時代の中国で唄われたのは、ウイグル風のリズム感のあるテンポの速い曲がほとんどで、また王洛賓によるウイグル民謡の改編曲も大変人気がありました。というわけで、ネット上のウイグル音楽を探してみました。新浪網にあった次のビデオは、この"Maxripi"の様子なのでしょうか?皆さん楽しそうです。

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我願意、天下無雙醉一場(王菲)

Faye  北京出身で満州族の血をひく王菲(フェイ・ウォン)は、香港そして中国でも指折りのポップスターとして世界に知られている。最近は歌手よりも俳優としての活動が目立つようですが、歌唱力抜群でなおかつ透明感のある声は、いつ聴いてもうっとりさせてもらえます。なかでも「我願意」は私の好きなバラードで、たしか2003年度のNHK中国語会話のスキットでも印象的に使われていました。

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呉鶯音・静婷・潘秀瓊・顧媚

 今回はまた中国時代曲です。大陸での革命により音楽業界の多くの人材が上海から香港へと移動しました。そのため広東語のイメージが強い香港ですが、1950-1960年代には上海時代曲風の国語歌謡(北京語によるポップス)が多数作られたそうです。YOUTUBEでそのころの曲を探したところ、予想以上に香港製国語歌謡を聴くことが出来ました。これらの下地があったからこそ、1970年代以降の広東語ポップスの隆盛へと繋がったのでしょう。次の「我有一段情(1957)」は、前回紹介した姚莉の兄に当たる姚敏が作曲し、やはり上海から香港へ移った呉鶯音が唄った名曲です。

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李香蘭・姚莉・白光

 前回の周璇の記事の続きですが、まずは伝説的歌手の李香蘭(山口淑子 1920- )。このMVは、彼女の映画界からの引退を記念して撮られたという映画「東京の休日(1958)」のなかで、陳歌辛と並び称される作曲家・黎錦光(1907-1993)の代表作「夜来香」(1943年発表)を唄うシーン。ちなみに辞書によれば「夜来香」は数種類の芳香を持つ植物の名称だそうですが、この歌では夜来香の香りのする女性という意味のようです。それにしても玉を転がすような美声を日本語と中国語のバイリンガルで聴けるだけでなく、彼女の御姿がカラーで視れるとは幸せなことです。

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月圓花好・永遠的微笑・花樣的年華(周璇)

 中国の歌謡曲の中では、上海が音楽産業の中心だった1930-40年代のナツメロ(老歌とか時代曲とか呼ばれる)にけっこう引かれます。というのは首都が北京に移ってからは、政治体制の問題は別にしても、遊牧系民族の遺伝子を多く受け継ぐ北方中国人の血が騒ぐのか?ウイグル音楽風のリズム感の強い曲が多くて、江南民歌風のスローで甘美なメロディの流行歌が少ないように思うからです。今回はなかでも私のお気に入りで、儚げな高い声で人気のあった周璇(チョウ・シュアン 1918-1957)の曲を取り上げます。

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美麗的草原我的家,2002年的第一場雪(刀郎)

Daolang  刀郎(ダオラン)が唄う民歌「美麗的草原我的家」がいい。抑えめの低い声ながらも草原に朗々と響き渡るような発声法が素晴らしく、幅広い年齢層に支持されているというのもよくわかります(以前紹介した西域刀郎(潘曉峰)よりも、刀郎のほうがメジャーらしい)。たぶん都市部に住んでいる一般中国人(漢族)がイメージする新疆・蒙古といった中国西北部は、このビデオのように都会のストレスを癒してくれる大草原というイメージなのでしょう。また杉山正明氏も書いてましたが、歌詞に出てくる「ムーミン」(牧民の中国語読み)という単語の語感がいいですね。

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用心良苦(張宇)

Phil_zhang  台湾の人気歌手、張宇(フィル・チャン)が1993年に発表したカラオケにぴったりの名曲。ちなみに”用心良苦”というタイトルを辞書で引くと”念入りの心配り”とか”並大抵でない苦心”という意味らしい。彼は、妻の十一郎が書いた詞に曲を付けて、ケリー・チャンやフェイ・ウォンといった有名歌手に楽曲を提供する、夫婦共同作業によるコンポーザーとしても有名な音楽的才能に満ちた人らしい。

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香水百合(張韶涵)

Angela  台湾の人気スター、アンジェラ・チャンを知ったのは、2007年度「NHK中国語会話」のテーマソングがきっかけです。ポップ&おしゃれ路線を進んでいるようで、最初は自分の趣味とは合わないかな?とも思ったのですが聴いてみると不思議に癒されます。ちなみにテンポのいいこの曲のタイトル“香水百合”は、ユリの品種名(日本語名はカサブランカ)だそうです。

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歌唱祖国

 中国で文化大革命期に好んで唄われた「革命歌曲」。日本で軍隊経験者が軍歌をナツメロとして口ずさんだように、紅衛兵世代が若かりし頃を懐かしんで唄っているだけで、今では忘れられつつあるのだろうと思っていました。しかし、北京オリンピックの開会式で(口パクで話題になった)少女が唄う「歌唱祖国」を聴いて、やはり優れたメロディを持つ曲は時代を超えて生き続けるんだなあとの思いを強くしました(日本でも大部分の軍歌が忘れられるなか「戦友」等の名曲はやはり残っています)。

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朋友・花心・忘憂草(周華健)

Pengyou  香港出身ながら台湾で歌手デビューして国民的人気歌手になった、エミール・チョウの唄う「朋友」は、台湾では卒業式の歌の定番になるくらい有名らしい。確かに韻を踏んでいて唄いやすい歌詞は、短いなかにも味わい深く、迫力のあるビデオクリップは、友情の素晴らしさを美しく表現した感動ものです。

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感動的心(李殊)

Lishu 先ごろNHKで放映していた中国のTVドラマ「北京バイオリン」は、登場人物の突拍子もない行動が面白くて楽しく視ていましたが、ドラマを盛り上げる迫力あるボーカルで主題歌を唄っていた李殊という歌手もお気に入りになりました。この「感動的心」という曲も「拯救之非常地帯」というTVドラマ(北京バイオリンでジャン先生役の王志飛が主役のよう)の主題歌ですが、タイトル通り聴くものの胸を打つ感動的なボーカルです。

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幸福的D弦(西域刀郎)

D_xian  作者は「中国西北歌王」として知られる王洛賓(1913-1996)で、新疆、甘粛、青海地方のウイグル族を始めとする少数民族に伝わる美しいメロディをアレンジして、数多くの民族音楽調の歌曲をヒットさせた中国では知らない者のない巨匠。彼はまた、獄中生活を送ったこともある苦労人のようですが、いい仕事をした人だと思います。この「幸福的D弦」を、その昔のフォークソング風に唄っているのは潘曉峰という歌手で、現在「西域刀郎」という名前で売り出し中のようです。

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淡淡幽情(鄧麗君)

Tantanyouqing  テレサテンが1983年に発表した、宋代の古典詞に叙情的なメロディーをつけた『淡淡幽情』。その発売を記念して撮影されたこのMVでは、当時30歳のテレサ・テンが宋代風の衣装をまとう珍しいコスプレ姿が楽しめます。

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真的好想你(周冰倩)

Haoxiangni 2003年に中国へ旅行した際に何枚か買ったCDのなかで、この曲が最も気に入りました。ちょっと演歌っぽい歌謡曲を連想させる、1960年代頃の日本によくあったしっとりとしたメロディです。伴奏の二胡の音色も曲調にマッチしていいし、愛情を花鳥風月に託して唄う歌詞もとても演歌っぽい。

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中國話(S.H.E)

She_play 台湾のアイドルグループ"S.H.E"が唄う、中国語の早口言葉らしい歌詞の遊び心あふれたヒップホップ調の楽しい曲「中國話」。その歌詞に、「全世界が中国語を学んでいる。孔子さまの言葉もますます国際化する。全世界が中国語を話している。我々の言葉を世界中が耳を傾けて聞いている」という一節があり、大陸市場でのプロモーションのためにしても大陸に媚びすぎだという批判が台湾のメディアに出たとのこと。

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東方紅

 「東方紅」は、毛沢東を称える歌詞の中華人民共和国では準国歌的な歌で、この映像は1965年に製作されたミュージカル映画「東方紅」の冒頭シーン。放送大学の高木昭作先生は、『日本文化研究('05)』のなかで「東方紅」の歌詞が、明治天皇を讃えた唱歌「明治節」(明治天皇の誕生日11月3日の祝日に唄われた)の歌詞と似ていることを指摘し、これは中国の華夷思想と日本の神国思想との発想法が似ているからだと述べていた。最近話題になったチベット騒動のニュースでは、つい1919年の朝鮮独立運動を連想してしまいましたが、例えばW.W.ロストウの経済面からみた発展段階論の視点でみても、現代の中国社会は戦前の日本社会と多くの点で類似しているように思います。

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離別的車站(趙薇)

Qingshenshen  「離別的車站」は台湾の有名作家・瓊瑤の原作になるTVドラマ「情深深雨濛濛」の挿入歌。このドラマは「少林サッカー」に出演したヴィッキー・チャオが、1930年代上海のナイトクラブの歌姫に扮した波瀾万丈の恋愛もの。また、よくできた反日ドラマの側面もありその意味でも面白い。次のMVは、日本軍による上海占領後のシーンでこの曲が唄われるシーンですが、TVドラマにしては背景などに凝っていてドラマチックな印象です。

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新鴛鴦胡蝶夢(黄安)

Huangan 台湾の歌手、黄安による美しい中華風メロディに漢詩のように韻をふむ歌詞が添えれれた1990年代のヒット曲。フィリピンで働いていた時、台湾人客の多いカラオケバーに行った事があって、そこで聞いて気に入った曲です。ちなみにタイトルを辞書で引いても、新婚夫婦(新鴛鴦)は胡蝶の夢(老荘思想家の荘子の故事)って意味がよくわかりませんが、ある本に「鴛鴦胡蝶」がメロドラマの意味だと書いてあったのでその意味かもしれません。

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天涯歌女・四季歌(張燕)

Zhouxuan オリジナルは1937年上海製作の映画「馬路天使」の挿入歌で、黄金の喉と称えられた周璇が唄って有名になった歌。その後も、李香蘭(山口淑子)やテレサ・テンを始め多くの歌手に歌い続けられている名曲です。いろんな歌手がカヴァーしていますが、次のMVで唄っている張燕の高めの声が得もいえず素晴らしい。また、周璇の生涯については『何日君再来(ホーリイチュンツァイライ)物語』という本に詳しく書かれていました。

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月亮代表我的心(鄧麗君)

Teresa 台湾出身のテレサテンが中国語で唄った曲を聞いてみると、耳元で直接ささやいているかのように感情のこもった甘い歌声が聞くものを魅了します。古典詩に落ち着いた雰囲気の曲をつけた『淡淡幽情』を初めとして、好きな曲は山ほどありますが、特に情感に満ちた「月亮代表我的心」は名曲です。1978年に撮られたこのビデオクリップでは、少女から大人の歌手に変りつつある時期のテレサテンの姿が堪能できます。

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