Musique Amazighe (Amazigh Music)
"Musique Amazighe"(イマジゲンの音楽)とはモロッコの主としてアトラス山脈以南に住むベルベル人向けのポップス。アラブ風の音楽よりもリズムが強調されていて、よりアフリカ的なテンポの速い明るい曲調のものが多いようです。私がモロッコに滞在していた頃は、一般の音楽カセットがプラケースに入っているのに対して、ベルベル人向けのカセットはなぜか紙のケースに入っていたのですぐに区別が付きました。ちなみにこれらの歌は、ベルベル語の諸方言のうちモロッコ南西部、ヨーロッパ人ツーリストの多いアガディールを中心とするスース地方を中心に、話者の人口が最も多い"タシュリヒート(Tachelhit)"方言で唄われているとのことです。
当地には、弦が一本だけの擦弦楽器ルバーブに合わせて弾き語りする"ルワイス"という吟遊詩人の伝統があるそうですが、それが1970年代に出現した、ナス・エル・ギワン等の若者向けバンドに触発され、ルワイスの後継者という意識を持ちながら、ポップス化したミュージシャンが数多く誕生しているそうです(参照:堀内正樹「モロッコの音文化」)。
ひとつめは、なんとも可愛らしい表情を見せる女性歌手"Souad Tounarouz"の唄にあわせて、クスクス料理をこしらえるという現地の生活が髣髴としてくるビデオクリップ。ふたつめの、"Ahmed Abaamrane"と"Amina"の唄は、携帯電話の会話をそのまま歌詞にしたようなユニークな曲。3、4曲めは、私の一番のお気に入り"Bahija et Omar"が唄う、男女の掛け合いが妙に楽しいTVドラマ風ビデオクリップ。エフェクトをかけているのか?人間離れした高い声が印象的です。5曲めは、ルワイス(吟遊詩人)の名を冠した"Raiss Tijani"による、伝統楽器の音色にラップ風音楽を融合して、今風に仕上げてしまったなんとも不思議なフュージョン音楽です。ちなみにネット上で検索してみると、スース地方のベルベル音楽を専門に紹介している"Musique Amazighe du Souss"というサイトがありました。眺めてみるとローカル・ミュージックとは思えないほど多くの歌手がいるようです(試聴可能)。
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